こんにちは!ひとり経営専門コンサルタント/税理士の門脇です。

開業した際に創業融資を受けるか受けないかという悩み、ありますよね。
私は「創業融資を受ける」方が良いと考えています。
なぜ「創業融資を受ける」方が良いのか?詳しく解説します。

理由1:金銭的に余裕をもって、事業活動に集中できる

一番に挙がる理由ではないでしょうか。

開業して同時に事業を継続できる売上(利益)が上がれば良いのですが、
最初の時期は、中々難しいのが実情です。

日本政策金融公庫のデータによると
事業開始からおよそ1年間のうちに黒字基調となった企業は約60%との結果が出ています。

2021年度新規開業実態調査

せっかく開業したのに
資金不足により廃業の危機に陥ってしまうのは
非常にもったいないです。

また借入をすると利息を支払わなければなりませんが
新創業融資制度の場合は、0.91%~3.0%とそこまで高くはありません。

以上が理由の1つ目です。

理由2:返済実績での信頼貯金

事業継続には資金繰りが命綱になります。

無借金経営も良いですが
リーマンショックやコロナといった
突発的な危機が訪れることがあります。

そのため私は借金と上手くお付き合いをする方がより良いと考えています。

日本政策金融公庫から借入をした場合
公庫では専用の口座が無いので
自身で所有している口座へ資金が入金され、返済が開始します。

滞りなく返済をすれば
公庫に限らず、その口座の銀行にも返済実績が分かります。

今後、新たに設備投資や運転資金で融資を必要になった場合
返済口座の銀行に相談する際、アピールの1つになると考えられます。

「約束を守る」ことは信頼関係の第1歩です。

理由3:創業計画書の作成

創業融資を申し込む際に必要な書類の1つに
創業計画書があります。

https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/kaigyou00_220401b.pdf

計画書では主に下記の記載が必要です。

1創業の動機

2経営者の略歴等

3取扱商品・サービス

4取引先・取引関係等

5従業員

6借入の状況

7必要な資金と調達方法

8事業の見通し(月平均)

開業にあたり、ある程度事業の見通しをシミュレーションされている方もいらっしゃると思いますが

創業融資をきっかけに営業方法、取引先や自身のセールスポイントを見直すとともに
実際に数値に落とし込んだ計画書を作成するのも有用であると考えられます。

実際に創業融資を受けた体験談

手続きの流れ

下記リンク先動画にて手続きの流れが解説されてますが、申込→面談→融資→返済と進みます。

要する時間はスムーズに進んで、申込から借入金着金まで大体1ヶ月程度でした。(私の場合は9/30申込→10/26着金でした。)

https://www.jfc.go.jp/n/finance/flow/tetsudukij_c.html

  1. 申込

郵送又はインターネットによる申込が可能で、私はインターネットにて申込しました。
個人情報を入力し、書類をアップロードし提出します。

申込後、事務所所在地を管轄する支店の担当者の方から面談のご案内のお電話を頂きました。
その後郵送にて面談日時と追加提出書類の案内があります。

  1. 面談

事務所所在地を管轄する支店の担当者の方と面談します。
創業計画書に沿っておおよそ30分程度でした。

  1. 融資

審査が完了すると借用証書が送られてきます。必要事項を記載し返送し完了です。

提出書類

  • インターネット提出
  • 運転免許証など身分証明書
  • 購入予定設備の見積書
  • 創業計画書

創業計画書作成にあたっては、今後の資金繰りや、営業方法、自分のセールスポイントについて見直すいい機会になりました。

創業計画書の記載例 

 創業計画書の書き方(動画)

  • 面談持込
  • 勤務時の源泉徴収票
  • 預金通帳(最近6カ月以上)
  • 公共料金の領収書
  • 創業のために使用した資金の領収書
  • 不動産の賃貸契約書
  • 地代・家賃の支払状況のわかるもの
  • 営業許可証など
  • 運転免許証など身分証明書

開業準備として融資申込の前にしておくべきこと

  • 銀行口座の開設

PayPay銀行などネット銀行は返済口座として使用できないため、都市銀行・信用金庫等であらかじめ口座開設しておく必要があります。

  • 開業に向けて貯金をする

提出書類にも挙がっていますが、開業にあたり自己資金をコツコツ貯蓄してきたかどうかが審査のポイントになるようです。

また自己資金は必要な資金(設備資金+運転資金)の3割以上準備しているのが望ましいです。 ※創業計画書「7.必要な資金と調達方法」

まとめ

以上、創業融資を受けるべき理由3選と
実際の体験談をお話させていただきました。

私は実際創業融資を受けたことで
預貯金残高の心配をしなくて良い時間的猶予を得ることができました。

これから開業される方は、ぜひご活用いただくことをオススメいたします。

投稿者プロフィール

門脇頼介
門脇頼介
ひとり経営専門コンサルタント/税理士 門脇頼介
関西学院大学商学部卒。
かどわき会計事務所代表。1990年生まれ、神戸在住。

無職のまま大学を卒業してしまう。就職に苦戦し何とか入社した税理士事務所でも、全く戦力にならず途方に暮れる。

積極的に手を挙げることで徐々に仕事が出来るようになる。また税理士試験も順調に合格することができ、お客様に感謝される機会も増え社会人として充実する。

怒号が響く、所長の機嫌に右往左往する職場環境で転職するが、転職先でも採算が合わない、相性の合わない顧客との対応に苦慮する。また急速な拡大を目指す組織では従業員の退職が相次ぎ、職場環境が悪化するのを目の当たりにし、違和感を覚える。

その後独立開業する。組織のしがらみに囚われない、規模の拡大を目指さないが、仕事もプライベートも充実させる生き方を目指している。ひとり経営者の支援に特化しており、日々奔走中