こんにちは。
スモールビジネス専門税理士 門脇頼介です。
今回は法定調書についてつらつら書こうと思います。
法定調書とは
- 法定調書とは
法定調書とは、「所得税法」、「相続税法」、「租税特別措置法」及び「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」の規定により税務署に提出が義務づけられている資料をいいます。(引用元:No.7400 法定調書の提出義務者)
法定調書の種類は数えてみると60でした。(参考:法定調書関係)
ざっくり言うと、国が事業者から特に個人の方との取引情報をもらうことで個人の納税漏れを把握するための制度です。
- 提出義務者
個人・法人問わず該当する支払いを行った場合提出します。
多くの事業者にとって対象になるのは「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」に列挙されている下記になるかと思います。
・給与所得の源泉徴収票(役員や従業員に給与・賞与を支払ったとき)
・退職所得の源泉徴収票(役員に退職金を支払ったとき)
・報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書(原稿料、税理士報酬等を支払ったとき)
・不動産の使用料等の支払調書(家賃等を支払ったとき)
・不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料(仲介手数料を支払ったとき)
・不動産等の譲受けの対価の支払調書(不動産等を購入したとき)
詳しい記載要領はこちらをご覧ください。
国税庁 令和3年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引
- 税額
ありません。事業者が対象の取引を行った場合に該当する書類を作成し提出します。
法定調書の注意点
- 支払調書は取引先に渡さなければいけない?
そういう慣習はありますが、税務上義務付けられているものではありません。
- 提出期限が1月末でないものもある
法人が配当を支払ったときも法定調書の提出が必要になりますが
提出期限が他の支払調書と異なり支払確定日又は支払った日から1か月以内ですので注意が必要です。
- 電子提出が義務の場合がある
あまり該当する方はいらっしゃらないと思いますが、法定調書の種類ごとに前々年提出した法定調書の提出枚数が100枚以上の場合は電子(又はCD・DVD等)での提出が必要になります。
例)令和2年に提出した「給与所得の源泉徴収票」が100枚以上→令和4年は電子で提出
- 記載金額は税込?税抜?
原則として税込金額を記載します。ただし、摘要欄に消費税額を記載することで税抜金額での記載も可能です。
集計しやすい方でいいかと思います。
- マイナンバー記載は必要?
原則マイナンバー記載する必要があります。ただし、提供を受けられなかった理由により記載がないことを以て無効になるのではありません。
参考:国税庁 法定調書に関するFAQ Q1-4
まとめ
年末調整(源泉所得税納付)、償却資産申告、法定調書と12-1月にかけて業務が集中しますが、月々の会計処理を進めることで準備できるところでもあります。
慌てず焦らず対応したいものです。
※現行法令等に基づいていますので、今後取扱いについて変更される可能性がございます。ご留意ください。