主に副業をしているサラリーマンの方は要注意です。

これまで事業所得にしていた収入が雑所得になるからです。

この記事では事業所得と雑所得の違いをわかり易く解説します。

副業が事業所得になる条件

サラリーマンの方が副業(赤字)を事業所得として申告することにより
給与所得(黒字)と事業所得(赤字)と相殺することで
給与で天引きされている所得税が国から還付されるケースが問題になっていました。

そこで国が次の2点の条件を満たさない場合は、雑所得として取り扱うことを発表しました。

  1. 社会通念上事業と称する程度で行っている
  2. 帳簿書類の保存がある

それでは具体的に2つの条件についてそれぞれ説明します。

「社会通念上事業と称する程度で行っている」とは?

下記の点を参考に総合的に判断されるものになります。

  • 自分で責任を負っている
  • 事業として利益を出している(出るように頑張っている)
  • 継続して事業を行う気概がある
  • 第三者が認めている事業である
  • 事業に心身を使って働いている
  • 雇用している
  • 事業所がある

まとめると事業をしている本人も取引先やその他の人にとっても
本業といえる事業であれば、事業所得として認められることがわかります。

ざっくり例に挙げると会社員の傍ら休日のみ趣味として行っているというようなものでは
事業所得として認められるのは難しく、雑所得とみなされる可能性が高いです。

「帳簿書類の保存がある」とは?

帳簿とは、総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳などがあります。

書類とは例えば棚卸表、貸借対照表、損益計算書、注文書、契約書、領収書などがあります。

事業を行っている場合は当然に帳簿書類を保存していることが求められます。

またこういった帳簿書類を保存していても下記の場合は注意が必要です。

  • その事業の収入が少ない場合

そもそも事業が成り立つ、継続するには収入が不可欠です。

会社員の方を例にすると、メイン収入(給与)に対して

その事業収入が給与×10%未満である場合です

  • その事業で儲けがない場合

その事業が例年赤字で、赤字解消の努力をしていない場合です。

不動産賃貸収入や給与の場合は?

副業といっても様々な形があります。

所得税ではその種類によって10種類所得に分類されます。
例えばこのように分類されます。

  • 不動産賃貸収入→不動産所得
  • 株の配当収入→配当所得
  • 株式を売却した→株式譲渡所得
  • 2か所目の給料→給与所得
  • 不動産を売却した→譲渡所得
  • 懸賞金→一時所得
  • 退職金→退職所得

分類できないものは「雑所得」になります。

つまり、不動産賃貸収入や2カ所目からの給料はそれぞれ
不動産所得、給与所得になるため、今回の影響はありません。

まとめ

副業が事業所得、雑所得の判断は下記2点の条件があることを解説いたしました。

社会通念上事業と称する程度で行っている

帳簿書類の保存がある

この記事がご参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございます。

投稿者プロフィール

門脇頼介
門脇頼介
ひとり経営専門コンサルタント/税理士 門脇頼介
関西学院大学商学部卒。
かどわき会計事務所代表。1990年生まれ、神戸在住。

無職のまま大学を卒業してしまう。就職に苦戦し何とか入社した税理士事務所でも、全く戦力にならず途方に暮れる。

積極的に手を挙げることで徐々に仕事が出来るようになる。また税理士試験も順調に合格することができ、お客様に感謝される機会も増え社会人として充実する。

怒号が響く、所長の機嫌に右往左往する職場環境で転職するが、転職先でも採算が合わない、相性の合わない顧客との対応に苦慮する。また急速な拡大を目指す組織では従業員の退職が相次ぎ、職場環境が悪化するのを目の当たりにし、違和感を覚える。

その後独立開業する。組織のしがらみに囚われない、規模の拡大を目指さないが、仕事もプライベートも充実させる生き方を目指している。ひとり経営者の支援に特化しており、日々奔走中